お店の顔ともいえるのれんをオーダーメイドする際には、
デザインだけでなく素材にもこだわって注文したいものです。
のれんは和食を提供する飲食店や和雑貨を扱うお店に
よくかけられるものですから、素材でも和を感じられるものを使って作るのが理想的です。
和の雰囲気漂うのれんを作ろうと考えた時、まっさきに思い浮かぶ素材は麻ではないでしょうか。
しかし麻素材はオーダーメイドでのれんを制作するには不向きな素材で、制作費用も比較的高くなりがちなため、万人におすすめできる素材ではありません。
そんな時選びたいのが、麻テクスチャを再現した麻風スラブやエステル麻などのポリエステル素材です。
これらの生地は、ポリエステルでありながらキビラ麻のような独特の風合いを演出してくれます。
キビラ麻とは、古くからのれんの生地として使われてきた素材で、繊維と繊維の間に隙間があるため独特の透け感が楽しめる生地です。
このような麻テクスチャを再現するために、織り目にわざと隙間を空けて作られたのが麻風スラブやエステル麻なのです。
この2つの生地は、手頃な価格で麻と同じような風合いが楽しめるだけでなく、麻とは違い化学繊維でできているため水に強く、お手入れが簡単というメリットもあります。
インクジェットプリントの特徴とメリット
のれんの素材として使用することで和の雰囲気をより演出できる麻素材ですが、ポリエステル素材よりも費用がかかることやお手入れが大変なこと以外にも、オーダーメイドののれんに不向きな点があります。
それはオリジナルののれんを作る際に使われるインクジェットプリントが、麻などの天然素材には使用できないということです。
そのため本物の麻ではなく、その風合いを再現した麻風スラブなどのポリエステル素材が使われるのです。
「本当にポリエステル素材で麻の風合いが再現できるのか」と不安になる方もいるかもしれません。
そんな時には各ショップが提供している生地サンプルを取り寄せてみると良いでしょう。
実際に手にとって風合いを確かめることで、求めている雰囲気の生地であるかどうか確かめることができます。
インクジェットプリントは印刷できる素材に制限がありますが、布地にイラストや文字を印刷する方法として優れた点がいくつもあります。
色数の制限がないため、写真など複雑な色を再現したい時にはうってつけの印刷方法といえるのです。
また細い線もすっきりきれいに印刷できるため、お店の名前やロゴを入れたデザインが多いのれん制作に向いています。