先染めは糸の段階で染色を行うので深い色合いを再現することが出来る特徴があり、さまざまな風合いや色合いを組み合わせてゆくためには最適な染色方法です。
糸自体が染まることと色落ちがし難いメリットを持ち、反面作る際の手間やコストがかかるので製品価格も高額になることがデメリットになります。染めた糸を追ってゆけば複雑なカラーが表現出来たりなど、古くから着物などに使われている染色方法です。
後染めは布を織った状態で染め上げてゆく手法で、単一的な仕上がりになり短期間で大量の製品を作ることが出来ます。現在の洋服などはこの手法で作られることが多くあり、出来上がった生地にプリントなどをすることでロゴTなどを製造販売しているのです。メリットは一枚の布から加工出来ることで、低コストになりやすいこととデザインの自由度が高いことになります。
のれんはこの2つの製造方法を、適材適所で使って目的と用途に応じて作られてゆくのです。のれんによっては後染めでも複雑な工法を使い、繊細でコストの高い仕上げをされていることもあります。ろうけつ染めや印染めなどと呼ばれる染色方法が
一例です。一方で先染めでも技術革新により、低コストで美しい文様を作れる場合もあります。ケースバイケースで暖簾は作られているのです。
暖簾の魅力と役割について
暖簾は屋号を染め上げて代々軒先に吊るして、信頼と伝統を守りながら子孫や後継者に譲り渡してゆくものです。戦乱の京都では何度も都が火に包まれましたが、暖簾だけ持って避難して
何百年も続いている老舗もあります。生きて暖簾さえあれば商売は再会出来るのです。
現在はこうした信頼の意味だけではなく、形を変えてロードサイドののぼり旗や横断幕などになって店舗広告する役目を担っております。見た人が安心して使えるように信頼を含んでいる点は、昔も現在も変わらない点です。日本の伝統はのれんにありますが、海外だと看板や鉄で作られたシンボルマークなどが該当します。貴族が家紋を持ち旗を掲げていることも同様の意味合いです。
日本は山間部が多くあり樹木に由来した染料が多くあります。発酵させたり灰汁と一緒に使ったり、染料を虫よけ代わりに用いることもありました。藍染めなどはデニムにも使われており、虫よけやガラガラ蛇を退ける効果があると信じられております。
真偽の程は謎ではあるものの、カラーには人の心に訴えかける効果があるのです。デザインなどの視覚効果は
その作用を使い、屋号や店名を入れてその店をプロモーションするためにのれんが存在しております。